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焦点:裏付けなき米株上昇、市場が織り込む過度な景気回復期待

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David Randall

[ニューヨーク 26日 ロイター] - 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて世界の経済活動が止まった2カ月ほど前には考えられなかったことだが、米S&P総合500種は26日、心理的な節目の3000ポイントを一時的に突破した。3月の安値から37%も値上がりした形だ。

しかし株式市場は、今のところデータの裏付けがない景気回復を織り込んでしまったかもしれない。一部の市場参加者は、株高は水準とスピードの両面で行き過ぎていると警鐘を鳴らしている。

相場上昇の背景には(1)米連邦準備理事会(FRB)と他の主要中銀による異例なほどの積極的金融緩和(2)米議会が承認した大規模経済対策(3)新型コロナワクチンの早期開発で世界経済の停止が最悪の打撃をもたらす局面は終わったとの期待――がある。

これについてコロニー・グループのチーフ市場ストラテジスト、リチャード・スタインバーグ氏は「市場参加者は身動きがとれなくなっていたところで、ワクチンのような希望の光を目にしたため、恐らく楽観ムードが妥当な範囲を超え、経済状況の先まで行ってしまったのは間違いない」と指摘した。

急速な株高は続かないとくぎを刺す声も出ている。PBCウェルス・マネジメントのマネジングディレクター、ジョージ・ゲロ氏は「政治的なニュースがもっと多く出てきて、市場参加者が米国の対中国、対欧州の問題を考え始めればすぐに、これまでの上昇分を幾らか吐き出すことになると思う」と話す。

ドイツ銀行<DBKGn.DE>のゼービング最高経営責任者(CEO)は26日、「私の見方では景気回復に関する基本的な想定は楽観的過ぎる。現段階では(コロナの)二次的、三次的影響は完全に織り込まれていない」と主張した。

株価は、実体経済が壊滅的な様相を呈している中で上昇してきた。例えば4月の雇用は前月比2050万人減と、大恐慌以降で最悪の落ち込みだった。

トールバッケン・キャピタル・アドバイザーズのマイケル・パーブスCEOは「かなり異常だ」と述べ、景気が「V字」回復しないのに市場は「V字」で戻っていると説明した。

一方スパルタン・キャピタル・セキュリティーズのチーフ市場エコノミスト、ピーター・カルディロ氏は、万事順調に進めば来年初めまでにワクチンが手に入る可能性があるとの見方を示した上で、足元の株高は希望的観測に基づいていると付け加えた。

<中国に追随>

相場上昇はある面では、アマゾン・ドット・コム<AMZN.O>、マイクロソフト<MSFT.O>、アップル<AAPL.O>、フェイスブック<FB.O>、グーグル親会社アルファベット<GOOGL.O>という「5強」にけん引されてきた。合計時価総額はS&P総合500種の約2割を占めており、ロックダウン(都市封鎖)中に需要が高まった銘柄として投資家の買いが集まって市場全体を押し上げた。

例えばアマゾンは3月の安値から45%近く、フェイスブックは62%もそれぞれ上昇している。

新型コロナ感染者数の増加と鈍化の双方で約2カ月先行している中国と、米国の動きを比較することで株高を正当化する向きもある。

中国の製造業と非製造業を総合した購買担当者景気指数(PMI)は1月に半分以下に沈んだ後、4月までには年初を上回る水準に戻った。マークイットによると、米国の総合PMIは2月に急低下が始まり、5月に35%近く反発している。

ロイトホルト・グループのチーフ投資ストラテジスト、ジム・ポールセン氏は「多分、米国の回復は中国で伝えられるほど迅速でも劇的でもないだろう。だが米経済が示すパターンはこれまでのところ、中国の経験を(時間差を伴いながら)なぞっている」と語った。