「手掛かり見つかって」 不明女児、山梨県警が再捜索 両親、無事祈る

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 「美咲の手掛かりを見つけてほしい」――。山梨県道志村の「椿荘オートキャンプ場」で2019年9月に行方不明になった当時7歳だった小倉美咲さんについて、県警は26日、再捜索に乗り出した。両親は千葉県から駆けつけ、祈るような思いで捜索を見守った。捜索は27日も続けられる。【金子昇太】

 捜索が始まる前、大月署の後藤哲生・地域交通管理官は「何らかの手掛かりが見つけられるよう全力で捜索したい」と意気込みを語った。大月署員や機動隊員計26人は午前9時半から3班に分かれ、キャンプ場を中心に半径約1キロの林道や沢を捜索した。

 千葉県成田市から来た美咲さんの母とも子さん(37)と父雅さん(38)は捜索を見守りつつ、周辺の林道を歩き、時折足を止めては手掛かりを捜した。途中、雨も降ったが、傘を差して歩き続けた。

 雅さんは取材に対し、「これまでの期間を言葉で表すことはできないし、美咲がいない現状をまだ受け入れられていない」と苦しい胸の内を語り、「この捜索で美咲の手掛かりがみつかってほしい」と期待を込めた。

 しかし、午後4時まで続いた捜索で手掛かりが得られず、27日に持ち越しとなった。捜索終了後、とも子さんは「手掛かりは見つからなかったが、雨の中、捜索してもらい本当にありがたい。(27日は)見つかることを願っている」と話した。

 とも子さんと雅さんはこれまでボランティアらの手を借り、新聞の折り込みを含め約54万枚のチラシを配布。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大で活動を自粛せざるを得ず、ツイッターやインスタグラムなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を活用し、情報を呼び掛けてきた。「美咲のためにできることが少なくて、すごく苦しい日々を送っていた。SNSで拡散を続けたが、情報が少なくなっていた」と振り返る。

 美咲さんは19年9月21日、家族や知人家族とキャンプ場を訪れた。午後3時40分ごろ、先に遊びに行った子どもたちを1人で追い掛けた後、行方不明になった。県警や消防、自衛隊など延べ約1700人が捜索したが、発見に至らず、10月6日に大規模捜索は打ち切られた。県警にはこれまで約3400件の情報が寄せられたが、有力な手掛かりは得られていない。情報提供は大月署(0554・22・0110)へ。