仏、自動車産業に9400億円公的支援 電気自動車購入、最大82万円補助

by

 フランスのマクロン大統領は26日、国内の自動車産業に80億ユーロ(約9400億円)の公的支援策を実施すると発表した。電気自動車などを購入する世帯に最大7000ユーロ(約82万円)を補助し、新型コロナウイルスの感染拡大で落ち込んだ需要を喚起する。また自動車メーカーに総額10億ユーロを投じ、設備の更新や技術開発を支援する。

 購入補助は、所得水準の高い世帯を除き、全世帯の4分の3を対象に、環境性能の低い旧型車から、電気自動車、ハイブリッド車など新型車への買い替えに3000~5000ユーロを補助する。

 また下請けを含めた自動車産業に、設備の更新や研究開発費などに充てる総額10億ユーロを支給する。経営が悪化しているルノーには、50億ユーロの銀行融資に政府保証を付け支援する。

 一方、これら公的支援と引き換えに、自動車業界に対し、電気自動車用のバッテリーなどの国内生産や、国内の生産拠点の維持を求めた。

 マクロン氏は「フランスをクリーンな車の生産で欧州一にしたい」と述べ、今後5年間で年間100万台の電気自動車・ハイブリッド車を生産する目標を掲げた。

 欧州自動車工業会のまとめでは、4月のフランスの新車登録台数は前年同月比88・8%減だった。【パリ久野華代】