阪神ドラ6小川、圧巻3者連続K「自信になった」 矢野監督絶賛「勝ちパターンでも」
日本一への“秘密兵器”や!阪神は26日、甲子園で集合練習再開後、2度目のシート打撃を行った。ドラフト6位・小川一平投手(22)=東海大九州=は、打者4人から3者連続三振を奪う無安打投球で猛アピール。矢野燿大監督(51)は球団を通した取材で、状態を維持すれば「勝ちパターンで使っていきたい」と開幕1軍どころか、勝利の方程式入りの可能性まで示唆した。
心地よい捕球音が、何度も無人のスタンドに響く。矢野監督は白球がミットをたたくたびに表情を緩めた。視線の先には、奪三振ショーを演じる小川。降板後には直接、声を掛けた。
球団を通じた取材では実戦復帰した岩崎の質問に答え終えると、自らドラフト6位右腕の名前を挙げた。「小川がね、すごくよかった。今日の投げっぷりであれば、勝ちパターンでも使っていきたいというような登板だった。すごく楽しみにしています」。守護神・藤川、セットアッパー・エドワーズ、岩崎らが形成する強力リリーフ陣。その一角を担う候補として、小川を組み込んだ。
それほどのインパクトを与える投球だった。小川にとっては人生初の甲子園での登板。「すごく投げやすかったです。夢に見ていたマウンドで投げることができたので」。先頭の原口を二飛に打ち取ると勢いづいた。
木浪はチェンジアップで空を切らせた。坂本、高山を直球で空振り三振。「真っすぐで押せたのはよかったですし、空振りが取れたのは自信になりました。今日みたいに真っすぐでどんどんアピールして、層の厚い投手陣に入れるように頑張っていきたいです」。1軍実績もある打者を抑え、確かな手応えをつかんだ。
今年の支配下での新人は6人中、上位5人が高卒。唯一の大卒・小川は、ドラフト6位で最後に指名を受けた。これまでは同1位・西純(創志学園)、同2位・井上(履正社)ら甲子園を沸かせた選手が脚光を浴び、小川への注目度は高いとは言えなかった。
だが、実力主義の世界で指名順位は関係なかった。最速149キロの直球と、フォークのような軌道で落ちる“パワーチェンジ”を武器に、地道に評価を上げてきた。今や新人で唯一、開幕1軍に近い存在だ。
補強は新外国人5選手らだけではない。小川が指揮官の言葉を実現できれば、これ以上ない補強となる。