株式市場が抱える業績の格差問題

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緊急事態宣言の解除によって株価が堅調である。不動産投資信託(リート、REIT)の価格もじわっと上昇している。とはいえ、このまま順調に上昇すると考えるのは難しい。

緊急事態宣言の解除が3密どころか、喜び勇んで蜂蜜(8密)に到達して、コロナを喜ばせかねない。当然の予想である。この今後の株価が経験するだろう状況だが、どの投資家もある程度織り込んでいる。

とはいえ、株式市場は楽観の部類に位置しているのではないか。今年はともかくとして、来年、再来年がどうなるのか、現在は誰にもわからない。その中で株式市場は、ワクチンができ、治療薬も出てきて、元通りの経済活動が可能になると踏んでいる。

この点、債券市場の悲観的な傾向との差が大きい。債券の場合、どの国も大量の国債発行を計画しているため、供給過剰である。このことも大きく影響しているのだろうが。

株式市場が抱える大きな問題は、業績の格差が拡大することである。どの企業が恩恵を受けるのか。そこまでいかなくとも、コロナのチャンスをとらえ、いかにして業績の追い風とするのか。逆に、逆風となる企業も多いはずである。この見極めが重要となる。

そんな中、ほぼ確実に言えることがある。オフィスやホテルを運営するREITには大きな逆風である。知っている範囲の情報では、都心部のオフィスが贅沢だとの意見が強くなっている。今までのように一等地にある必然性もない。必要だとしても、狭い面積で十分だろう。

旅行客はどうなのか。とくに海外からだが、今までのように来るとしても、かなり先のことだろう。日本から海外に行くのも、とくに発展途上国へは躊躇してしまう。日本に来る観光客からすれば、検査も十分にしてくれない国だとの評判は、当面致命的な欠陥であろう。

以上からすれば、株価やREITの価格、まだまだ波乱含みだと想定し、対処することが望ましい。以上、メモである。