「つや姫」、マガモが育てる 有機農法でひな200羽 山形

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 山形県三川町で県産ブランド米「つや姫」を農薬や化学肥料を使わない有機農法で栽培する水田に26日、マガモのひな約200羽が放たれた。「ピヨピヨ」と元気に鳴きながら、早苗の間を盛んに泳ぎ回って除草作業を助ける。

 放鳥は同町東沼で有機農業に取り組み20年になる大滝慶一さん(72)方の恒例作業。ひなたちは、キツネよけの電気柵を張り巡らした水田170アールで、雑草を食べたり、泥の中を足でかき回して根に酸素を送ったりして、稲の成長を促す仕事を一手に引き受ける。

 大滝さんは「夜中に電気柵の通電を確かめに現れるなど、年々巧妙になる獣との知恵比べ」と笑う。秋に実った有機米は首都圏の消費者に販売される。【長南里香】