VW、独の排ガス不正車購入者に賠償へ 最高裁が判決
【フランクフルト=深尾幸生】ドイツの最高裁判所は25日、独フォルクスワーゲン(VW)に対し、同社の排ガス不正の対象車を購入したドイツ人男性による買い戻し要求に応じるよう命じた。3万1490ユーロ(約370万円)の購入代金に対し賠償額は約2万8千ユーロ。この判決が出たことでドイツで同様の訴訟を起こしている、少なくとも約5万人にVWは賠償を支払う見通しになった。
VWは判決を受け入れ、約6万人いる他の原告の大半に和解を申し入れると声明で発表した。買い戻しではなく一時金の支払いを提案する。2015年の不正発覚後に対象車を購入した約1万人の扱いは未定という。
15年に発覚したディーゼル車の排ガス不正で、VWはこれまでに300億ユーロを超える罰金や賠償金を支払っている。米国では16年に買い戻しで当局と合意。18年時点で35万台以上の車両を買い戻し、74億ドル(約8千億円)以上を支払った。今回のドイツでの買い戻しで不正関連の費用は数億~十数億ユーロ増える見通しだ。