91歳の元慰安婦「支援団体に利用された」と再批判
【大邱(テグ)(韓国南東部)=建石剛】韓国人元慰安婦支援団体を巡る国庫補助金と寄付金流用疑惑で、問題を告発した元慰安婦の李容洙(イヨンス)さん(91)が25日、大邱市で再び記者会見を開いた。団体と前理事長の尹美香(ユンミヒャン)氏(55)について、私欲のために慰安婦問題を利用したと批判し、「(真実は)検察の捜査で明らかにされるべきだ」と訴えた。
李さんは、元慰安婦療養施設を相場より高値で購入した疑惑などが告発後に浮上したことについて、「あまりにも多くのとてつもないことが明るみに出ている」と憤った。支援団体「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯」(正義連、旧挺対協(ていたいきょう))の幹部だった尹氏とは1992年に出会い、その頃から募金活動を行っていたと指摘し、「(尹氏は)慰安婦を利用していた」と批判した。
李さんによると、尹氏は数日前に突然、大邱市内の李さんの滞在先を訪ねてきたという。尹氏は「許してほしい」とひざまずいたが、李さんが「何を許せばいいのか」と問いただしても、具体的な回答はなかったという。この日の記者会見への参加を促したが、現れなかった。李さんは尹氏について「今も自分が悪くないと思っているようだ。罪を犯したら罰を受けなければいけない」と批判した。
会見には国内外100人を超える報道陣が集まった。検察は補助金の横領や背任などの容疑で告発を受理し、20、21日にソウル市内の正義連の事務所などを捜索した。今後は尹氏の聴取が焦点だ。4月の国会総選挙の比例選で当選した尹氏は20日の当選者研修会に欠席し、公の場での説明を避けている。30日からは左派系与党「共に民主党」議員としての任期も始まるため、与党の対応にも注目が集まっている。