15歳少女、けがの父乗せ自転車で1200キロ…インド自転車連盟が関心
新型コロナウイルスの感染拡大防止策で全土封鎖中のインドで、PTI通信など主要メディアは、15歳の少女が今月中旬、けがをした出稼ぎ労働者の父親を自転車の後部に乗せ、1200キロ・メートルの道のりを自宅まで連れて帰ったと報じた。インド自転車連盟が関心を示し、選手養成施設への入所を勧めている。
この少女は、東部ビハール州ダルバンガ在住のジョティ・クマリさんだ。首都ニューデリー近郊グルガオンで三輪タクシー運転手をしていた父親が事故で負傷したため様子を見に訪れていたところ、3月下旬に全土封鎖となった。父親は職を失い、ダルバンガに戻ることにした。
しかし、全土封鎖で公共交通機関が止まっており、自転車を利用したという。クマリさんは地元テレビ局NDTVの取材に、出発から8日間で自宅に到着したと答え、「道中でトラック運転手に何度か乗せてもらった」とも語った。
自転車連盟幹部は、「強さと持久力があるに違いない」と絶賛し、代表選手を輩出している養成施設への入所試験をクマリさんのために来月実施すると明らかにした。クマリさんは「受験したい」と話しているという。
(ニューデリー支局 小峰翔)