「旅客すぐ戻らない」航空会社や福岡空港、緊急事態全国解除で
新型コロナウイルスに伴う緊急事態宣言が25日、全国で解除された。ただ都道府県をまたぐ移動は引き続き自粛が求められ、九州と首都圏を結ぶ航空会社や福岡空港(福岡市)は「旅客需要はすぐには戻らない」と慎重な姿勢を崩さない。
日本航空(JAL)は1日17往復していた福岡―羽田線を6往復に減便する措置を6月中旬まで続ける。全日本空輸(ANA)も6月は福岡―羽田線を従来の1日18往復から7~9往復に減らす計画を発表している。
JALは「全国での宣言解除ですぐ利用客が増えるとは言えない」とする。ただ4月まで最大5割程度に増えたキャンセル率が「現在は1割程度まで減少」しており、今後、利用客の回復に合わせて運航本数を増やす。
スターフライヤーは現在1日1往復に減便している北九州―羽田と福岡―羽田を6月1~14日に最大3往復に増やす。15日以降は今後検討する。
同社は「航空需要の回復には時間がかかる」とみている。2008年のリーマン・ショック後の回復が鈍かったためだ。北九州―羽田は従来は1日11往復していたが、関係者は「慎重に需要を見極めた上で、運航計画を立てたい」と話す。
ソラシドエア(宮崎市)は25日、6月は5月より減便を拡大する計画を発表した。同社は全国での宣言解除を歓迎しつつ「観光や出張が以前に戻る訳ではない」とみる。
福岡空港は国際線の運休が続いているため、4月に始めた社員280人の一時帰休を当面続ける。ただ「国内線は利用客が戻り始めている」とし、今後の需要回復に期待を寄せていた。