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【球界ここだけの話(1974)】広島・鈴木誠が高校球児にエール「次のステージで活躍できる準備を」

 夏の全国高校野球選手権大会が戦後初めて中止になったことを受け、広島・鈴木誠也外野手(25)が球児にエールを送った。

 「僕個人としては、開催してあげたい。でも決まった以上は変わらないだろうし、もう夏の大会は帰ってこない。3年生が夏にかけてやってきた練習は無駄にはならない。次のステージで活躍できる準備をして、頑張ってほしい」

 昨季、首位打者&最高出塁率のタイトルに輝いた主砲は、二松学舎大付時代、春夏通じて1度も甲子園に出場していない。エース兼4番として臨んだ最後の夏も成立学園に6-8に敗れて準決勝で敗退した。

 自身の高校時代を思い返して「今の子はすごくまじめですね。(テレビの)ニュースで(高校球児が)涙を流している姿を見て、この夏に懸けてきたんだなと。陰で練習をやってきたんだなと。僕はそこまで(夏に)懸けていたのかな、泣けていたのかなと」と率直な感想を述べた。

 聖地で輝いた選手もいる。27歳の捕手の磯村は中京大中京の2年夏に1学年上の堂林とバッテリーを組み、全国制覇を達成した。「甲子園がないのはつらいですね。モチベーションを維持するのは難しいが、前を向いて頑張ってほしい。もし野球を続けるのなら木製のバットで練習をしてみるとかですね」と具体例を挙げて温かいメッセージを送った。

 岡山理大付時代に甲子園に出場できなかった薮田は「僕は自分で(甲子園出場の)チャンスをつぶしている」と前置きした上で「仲間と一緒に甲子園を目指した思い出を大事にしてほしい」と力を込める。その精神で亜大を経て2015年にドラフト2位で広島に入団すると17年には勝率第1位(・833)に輝いた。

 コロナ禍でインターハイが中止、プロ野球、東京五輪が延期になり、スポーツ界は大きな被害を受けている。アスリートはつらい時期を乗り越えて成長の糧にする。(柏村翔)