2千万円収賄容疑で再逮捕 町職員、高知ふるさと納税
高知県奈半利町のふるさと納税を巡る汚職事件で起訴された町職員が、兄の口座を介し、返礼品を扱う叔父の精肉店からも約2490万円の賄賂を受け取っていたとして、高知県警は25日、収賄の疑いで、元町地方創生課課長補佐、柏木雄太容疑者(41)=起訴休職中=を再逮捕した。また両親と兄を収賄容疑で、叔父夫妻を贈賄容疑でそれぞれ逮捕した。
柏木容疑者の再逮捕容疑は、町内の業者に肉の加工品を叔父から仕入れて返礼品とするよう指示した上、町から業者を通じて叔父に支払われた代金のうち、約2490万円を2017年6月~18年10月、兄の口座を介して自らに還流させた疑い。
叔父は、肉の卸を別の業者に任せ、仲介をするだけで多額の代金を受け取っていた。県警は柏木容疑者が自身が担当するふるさと納税制度を悪用し、一連の取引で親族が利益を得るシステムを構築したとみて調べている。
口座は柏木容疑者の父の正雄容疑者(74)が管理していたといい、高知県警は25日、両親らの自宅を家宅捜索した。両親や兄は公務員ではないが、県警は「身分なき共犯」に当たると判断した。
高知地検は今年4月、返礼品業者から現金179万円余りを受け取った見返りに便宜を図ったとして、受託収賄罪で、柏木容疑者と前課長、森岡克博被告(45)=同=を、贈賄罪で水産加工会社社長(30)をそれぞれ起訴した。業者との癒着を指摘する情報を受けた高知県警が捜査し、ふるさと納税を巡る汚職事件としては全国初の立件だった。〔共同〕