松田昌士氏が死去 JR東日本元社長
JR東日本の元社長の松田昌士(まつだ・まさたけ)氏が5月19日午後1時58分、肝臓がんのため死去した。84歳だった。連絡先は同社総務・法務戦略部。お別れの会を行うが日取りなどは未定。
井手正敬氏(JR西日本元社長)や葛西敬之氏(JR東海名誉会長)とともに「国鉄改革3人組」と呼ばれ、国鉄の分割・民営化の立役者の一人となった。北海道出身。北大大学院を修了後、1961年に日本国有鉄道に入社。企画部門を中心に歩み、多額の長期債務で経営が行き詰まった国鉄の再建を担った。
87年4月に民営化で発足したJR東日本の常務に就任。93年に社長に昇格し、経営の効率化や省人化を進めた。商業施設など非鉄道事業も強化し、JR東の経営基盤を安定させた。政府が保有株を手放す完全民営化にも道筋をつけ、会長時代の2002年に実現した。
経営改革の手腕が評価され、小泉内閣による日本道路公団(当時)などの民営化のあり方を検討する第三者機関「道路関係四公団民営化推進委員会」の委員も務めた。08年11月、日本経済新聞に「私の履歴書」を連載した。