福岡県高野連は独自大会実施せず 感染リスク払しょくできず

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 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて中止になった第102回全国高校野球選手権大会と地方大会の代わりの独自大会について検討していた福岡県高野連は25日、感染リスクを払拭(ふっしょく)できないことなどを理由に大会を開催しないと発表した。独自大会は東京や千葉、愛知などの高野連が開催する方向で検討している。日本高野連によると開催しないと表明したのは初めて。

 福岡県高野連は22日の常任理事会で感染症の専門家などの意見を基に独自大会の開催可否を検討。部員らの安全を担保できないことや休校期間中、十分練習できなかった選手らにけがや熱中症の危険性がつきまとうことなどから全会一致で開催しないと決めた。

 25日に記者会見した福岡県高野連の土田秀夫会長は「現時点でできる感染症予防策を全てやっても感染リスクを取り払うことはできないという結論に達した」と理解を求めた。一方、3年生の練習試合出場は制限しないことにした。

 独自大会は「3年間の集大成にしてほしい」(千葉県高野連)という側面が強く、東京都高野連が7月11日開幕を目指して準備中。千葉や愛知、岡山も開催方針を確認している。佐賀は7月11日、長崎は7月上旬の開幕を目指している。福岡県高野連は3年生の思い出を形に残すため、大会パンフレットに代わる記念冊子を作って記念品と共に配ることを検討する。

 2019年春と夏の甲子園に出場した筑陽学園(同県太宰府市)の江口祐司監督(57)は「3年生が努力の成果を見せる場を用意してほしかったが、人命第一と判断したのだろう。これで全て終わるわけではないので最後まで手を抜かず、戦える準備をすることが選手への愛情だ」と話した。

 甲子園に春夏9回出場した東筑(北九州市)の青野浩彦監督(59)も「何が正解か分からないが命が一番大事と受け止めるしかない。選手から練習をやりたいという声が出たので6月末までは続ける」と話す。

 両校とも3年生の花道を飾る練習試合を予定している。【井上和也、丹下友紀子】