神戸市が留学生支援 ボランティアでの受け入れ先紹介し謝礼 約100人募集
by 毎日新聞新型コロナウイルスの影響で困窮する外国人留学生らを支援しようと、神戸市は25日、ボランティアの受け入れ先を紹介し、謝礼や食費を支払う事業を始めると発表した。100人程度を募集する予定で、6月から8月まで従事してもらう。日本語学校などを卒業後、帰国もアルバイトもできない外国人らの支援が課題になっていた。
市が募集するボランティアは、外国人の目線でハイキング道の案内サインの分かりやすさを確認したり、公園を清掃したりするなどの作業。1日3時間で謝礼や食費、交通費として3500円を支給し、月10回程度を想定する。3月末に日本語学校などを卒業し、在留資格を「短期滞在ビザ」に切り替えた人には、謝礼が支払えないため、食費と交通費として1日2000円のみとなる。
市国際課によると、大学や日本語学校などで学ぶ市内在住の留学生は8091人(3月末現在)。多くが学費と生活費をアルバイトで工面するが、接客業を中心に休業が相次いでいる。また、短期滞在ビザに変更した人は就労できない。国は困窮する大学生に10万円か20万円の支援を検討するが、留学生は学業成績などの要件があり、対象者は限られる。
神戸市兵庫区の日本語学校に通うベトナム人留学生のダオ・ティ・ハイ・バンさん(24)は「アルバイトが減って大変なので、ボランティアの募集はうれしい。日本人と話す機会が増え、日本語の勉強もできる」と喜ぶ。
留学生問題に詳しい神戸大大学院の斉藤善久准教授は「国は実質的な労働者として期待して、留学生を受け入れてきた。神戸市の支援規模では十分とはいえないが、自治体としていち早く動いた点は評価できる」と話した。【韓光勲】