全国移動は6月19日からOK 政府、経済活動再開の指針公表

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 政府は25日、改正新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言の全面解除を受けて、社会経済活動を段階的に拡大する指針をまとめた。外出や店舗営業、観光、イベント開催などについて、都道府県知事が域内の感染状況を見ながら約3週間ごとに基準を見直し、6月19日から全国での都道府県をまたぐ移動やプロスポーツの無観客試合などを容認する。

 政府は25日に改定した基本的対処方針で「『新しい生活様式』が社会経済全体に定着するまで一定の移行期間を設け、外出自粛やイベントの開催制限、施設の使用制限の要請などは段階的に緩和する」と定め、対処方針に合わせて外出自粛要請などの緩和指針を示した。

 指針では、都道府県をまたぐ移動は6月1日から容認するが、5月25日に解除された東京、神奈川、埼玉、千葉4都県や北海道との往来は6月18日まで控えるよう求めた。観光は都道府県内なら5月25日、都道府県外へは6月19日から徐々に再開し、8月1日からの全面再開を目指す。

 コンサートや展示会、プロスポーツなどの開催は「屋内では入場者は収容人数の50%を超えない」「屋外はできれば2メートルの十分な距離を取る」との条件を設けた。そのうえで最大収容人数は6月18日までは100人(屋外は200人)、6月19日~7月9日は1000人、7月10日~7月31日は5000人とし、8月1日以降に収容人数の制限撤廃(屋内では収容人数の50%以下の上限を維持)を認めた。ただし、全国的な移動を伴うプロスポーツなどは6月19日から認めるが、7月9日までは無観客とした。

 特定地域内での祭りは当面は100人(屋外200人)の制限を設けるが、6月19日以降は解禁する。全国的・広域的な祭りは8月1日以降、十分な間隔を取ることを条件に認める。

 感染リスクが高いとされるカラオケやスポーツジムなどは、人数管理や感染防止策をとったうえで、6月1日から原則として営業再開を認める。一方、接待を伴う飲食店やライブハウスなどは業界や専門家が感染防止策をさらに検討し、6月19日からの本格再開を見込む。

 政府の指針に強制力はなく、都道府県の状況に応じて、知事が特措法24条に基づく「協力要請」を行うことで住民や事業者に協力を求めていく。感染者が再び増加した場合は、緩和の先送りも想定される。【竹地広憲】