「腐敗に反対」 中国・習主席、綱紀粛正強調 新型コロナで不信感意識か
by 会員限定有料記事 毎日新聞北京で開催中の全国人民代表大会(全人代=国会)は年に1度の重要な政治イベントであり、会期中の習近平国家主席の発言は指導部の優先課題を反映する。新型コロナウイルスで揺れる今年、習氏は開会初日に「幹部は見かけだけの功績を求めてはならない」と綱紀粛正を図り、24日は感染の中心地だった湖北省の分科会で、「感染症対策は、政治大局の安定に関わる」と述べた。国民が当局の対応に不満を募らせれば、共産党の求心力が揺らぐことへの危機感が透けた。
「我々の党に特殊な利益(特権)はないし、民衆の利益を最優先している」。習氏は全人代初日の22日、内モンゴル自治区の分科会に出席して「人民第一」を繰り返した。「党員や幹部の権力は、人民のためだけに行使できる」とも指摘。「腐敗に反対し、形式主義・官僚主義を克服しなければならない」と述べ、党内で横行する事なかれ主義の是正を強調した。
中国の指導者は大半が全人代代表を兼ねており…
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