元慰安婦「疑惑解明は検察がすること」 支援団体の寄付金流用巡り 前理事長の「裏切り」批判

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 韓国の元慰安婦支援団体「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯」(正義連、旧挺対協)の寄付金流用疑惑を告発した元慰安婦の李容洙(イヨンス)さん(91)は25日、南東部・大邱市のホテルで記者会見し、疑惑解明は「検察がすることだ」と述べた。疑惑の渦中にいる前理事長で、4月の総選挙で与党系の比例政党「共に市民党」から国会議員に当選した尹美香(ユンミヒャン)氏(55)については「突然裏切った」と批判した。

 李さんの会見は疑惑を告発した7日に続いて2回目。李さんは、尹氏が19日に突然、自宅を訪れ、ひざまずいて許しを求めたため抱きしめたと明らかにしたが、「だからと言って許したわけではない」と強調した。韓国検察当局は20日にソウル市内の正義連の事務所を家宅捜索した。

 李さんは、尹氏に国会議員就任辞退を求めるのかとの質問には「私が答えることではない。自分がやりたいようにやる人だ」と述べた。尹氏には会見の同席を求めたが現れなかったという。

 保守系野党「未来統合党」は25日、正義連のずさんな運営を解明するための調査チームを発足。与党「共に民主党」は、「元慰安婦の人権運動の歴史を傷つけてはならない」と尹氏を擁護しながら、検察当局の捜査の行方を見守る姿勢を示している。【ソウル堀山明子】