「百害あって二、三利しかない」 9月入学、自民議員から反対論続出

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 自民党は25日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた学校の「9月入学」を議論するワーキングチーム(WT、柴山昌彦座長)を開いた。出席議員からは、学校現場などが新型コロナ対応で混乱する中、「拙速に結論を出すべきではない」との反対論が続出した。

 9月入学案は4月29日の衆院予算委員会で安倍晋三首相が検討を表明。政府は6月上旬までに論点整理する予定で、WTはそれまでに政府に提言を示す。

 会合には100人以上の議員が出席。冒頭、全国市長会などが全国の市区町村にアンケートを行った結果、約8割が9月入学に慎重、反対だったと報告した。

 その後の意見交換では、出席議員から「(来年度からの導入は)百害あって二、三利しかない」「現場は9月入学になるかどうかで混乱する。議論はいったん打ち切るべきだ」などの意見が相次いだ。

 柴山氏は会合後、「単純な両論併記ではなく、政府が検討するうえでの目印にできるような方向性は示したい」と記者団に述べた。

 これに関連し、首相は25日の記者会見で9月入学案について「有力な選択肢と考えるが、慎重に検討していきたい。拙速は避けなければならない」と語った。【野間口陽】