ネット上の誹謗中傷、規制検討へ 与野党「ルール化必要」 木村花さん急死で

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 与野党は25日、フジテレビの人気番組「テラスハウス」に出演していた女子プロレス選手、木村花さん(22)が急死したことを受け、インターネット上で他人を誹謗(ひぼう)中傷する行為を規制するため、ルール化の検討を始めることで一致した。

 木村さんに対して、SNS(ネット交流サービス)で匿名アカウントによる激しい批判が集中したため、ネット上で議論を呼んでいる。

 自民党の森山裕、立憲民主党の安住淳両国対委員長は国会内で会談。安住氏が「心ない誹謗中傷で人を傷つけるようなやり方について何らかのルール化は必要だ」として、与野党で協議するよう要請。森山氏も「何か助ける方策はなかったのかと残念に思う。立法府がどういう役割を果たすかは重要だ」と応じた。

 憲法が保障する「表現の自由」に配慮しつつ、海外の事例を参考に、SNSのサービスを提供するプラットフォーマーと呼ばれるIT企業に一定の責任を課す方法や、誹謗中傷した人への罰則を設けるなど法整備も含めて検討する。

 また、菅義偉官房長官は25日の記者会見で、「インターネットでの誹謗中傷の書き込みについては、他人を傷つけるような書き込みをしないよう啓発を行っていくことが重要だ」と指摘。総務省の研究会で発信者情報のあり方について議論を始めたとして「その検討をふまえて適切な対応を図ると承知している」と述べた。【東久保逸夫、宮原健太】