「官邸が重い処分をはねつけた疑い濃厚」 野党、黒川氏の「訓告」経緯追及へ

by

 立憲民主、国民民主、共産、社民の野党4党は25日の国対委員長会談で、賭けマージャン問題で辞職した東京高検の黒川弘務前検事長が訓告処分を受けた経緯を追及する方針を決めた。政府・与党は「処分の判断主体は法務省」と主張するが、立憲の安住淳国対委員長は記者団に「法務省はもっと重い処分を提起したが、官邸がはねつけた疑いが濃厚だ」と語った。

 森雅子法相は22日の記者会見で、黒川氏の処分について「最終的に内閣で決定された。私が検事総長に『こうした処分が相当』と伝え、総長から訓告処分にする、との知らせを受けた」と説明した。一方、安倍晋三首相は衆院厚生労働委員会で「法務省で事実確認などしながら、検事総長が処分した。その報告が法相からなされ、私も了とした」と答弁した。野党4党は説明の「食い違い」を問題視。特に森氏の「内閣で決定」発言から、官邸が処分を判断したとの見方を強める。安住氏は会談後、自民党の森山裕国対委員長に対し、首相が出席する衆参両院の予算委員会を週内に開くよう要求した。

 一方、森氏は25日の参院決算委員会で「法務省内で協議を行い、任命権者である内閣とも並行して協議した。検事総長に法務省から『訓告相当だ』と伝え、総長からも『訓告相当だ』と連絡があった」と釈明。自身の「内閣で決定」発言を軌道修正した。参院法務委員会の与党理事も「官邸が処分内容を覆した事実はない。森法相の『内閣で決定』発言は、表現の誤りだ」と強調した。【宮原健太】