アフターコロナ、ウィズコロナを考える2つの会議を速やかに設置せよ
by 玉木雄一郎今日にも緊急事態宣言が全面解除の見込みです。かつての日常に早く戻りたいという気持ちはあると思いますが、引き続き、緩むことなく、第二波対策や経済対策に万全を期さなくてはなりません。
政府や国会においても、新たな感染拡大を防ぎ、同時にウイルスとともに生きる耐性ある社会を構築するため、以下の2つの会議体を速やかに設置する必要があると考えます。
①まず、2010年に、2009年に発生した新型インフルエンザ対策を総括したように、今回の新型コロナ対策についても、第三者による検証、総括を早急に行うべきです。2010年の報告書で、専用のスポークスパーソンの設置や日本版CDCの創設などが提案されていたのに、それがなぜ生かされなかったかも検証すべきです。
【新型インフルエンザ対策総括会議報告書(平成22年6月10日)】
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/dl/infu100610-00.pdf
②次に、東日本大震災の後に設置した復興構想会議のような「アフターコロナ復興構想会議」を国会に設置し、外国依存からの脱却、東京一極集中の見直し、デジタル社会への本格移行など、本質的な議論を与野党を超えて行うべきです。
来年度予算編成のための骨太方針や概算要求基準も遅れるようですが、どうせ遅れるなら、従来の延長線上にあるような予算編成ではなく、コロナ後のあるべき社会、経済のあり方を踏まえた予算編成とすべきです。
私たちは改めて、①の総括会議報告書の末尾にある以下の言葉を肝に銘じなくてはなりません。
「危機管理対策は、発生後に対応すれば良いものではなく、発生前の段階からの準備、とりわけ、新型インフルエンザを含む感染症対策に関わる人員体制や予算の充実なくして、抜本的な改善は実現不可能である。この点は、以前から重ね重ね指摘されている事項であり、今回こそ、発生前の段階からの体制強化の実現を強く要望し、総括に代えたい。」
「喉元過ぎれば暑さ忘れる」を二度と繰り返すようなことがあってはなりません。