阪神・藤浪、コロナから全快ムード シート打撃で4者連続K!先発ローテ滑り込みアピール
阪神・藤浪晋太郎投手(26)が24日、甲子園で行われた集合練習でシート打撃に登板。新型コロナウイルス感染拡大で活動を休止していたチームの練習再開後、初となる実戦形式で打者5人に対し、無安打4者連続奪三振と好投した。25日に全国で緊急事態宣言が解除される見通しで、プロ野球も6月19日の公式戦開幕が発表される見込み。コロナ感染で調整遅れが心配されていた右腕が、回復ぶりと開幕ローテーション入りを猛アピールした。
雲一つない甲子園の下で、藤浪が輝きを取り戻した。自身にとっては67日ぶりの実戦形式で心配する周囲を安心させた。
「身体の状態自体はだいぶ良い感じで、腕も振れていますし、真っすぐも走っている。思ったより、しっかり投げられました。久しぶりだったので、もう少し投げにくさとかはあるかなと思っていました」
藤浪、伊藤隼、長坂のコロナ感染で3月26日に活動休止を発表したチームにとっても、久々のシート打撃。そのマウンドに26歳が上がった。
三振! 三振! 三振! 三振! 圧巻の投球だった。苦手とする右打者にも抜け球はなし。カットボールやスライダーなど変化球に頼らず、最速160キロ右腕は、伸びのある直球で押した。福留を二ゴロに仕留めた後は上本、北條、植田、江越を4者連続で三振に斬った。
新型コロナウイルスに感染し、3月27日に大阪府内の病院に入院。4月7日に退院してからも、自宅待機が続いた。ようやく練習を再開したのは同24日。再スタートから1カ月で甲子園のマウンドにたどり着いた。
実戦形式の登板は3月18日のオリックス2軍との練習試合(オセアンBS)以来だったが、「全体的にストライク先行でいけた」とアピールできた。マスク姿で見守った矢野監督は「躍動感のあるピッチングだった。中継ぎで1回というようなピッチャーではないので、もっと長いイニングを投げるためにどうすればいいのか、次のステップとしてはそういうところが見えたと思う」とうなずいた。
大阪桐蔭高の3年時は甲子園で春夏連覇を達成。ドラフト1位で入団した2013年から3年連続で2桁勝利を挙げた右腕は、制球に苦しみ、昨季はわずか1試合の登板で勝利なしに終わった。通算50勝。コロナ感染で、今春は大幅に出遅れていたが、開幕ローテーション入りへ、望みをつないだ。
25日に政府の緊急事態宣言が全国で解除され、プロ野球は6月19日の公式戦開幕がいよいよ発表される見通しだ。
「あとは自分の意図をもって投球ができるように、開幕に向けてしっかりやっていければ」と藤浪。虎党も待ち望むシーズン開幕へ、最善を尽くす。(三木建次)