外出自粛の中、芸術家が作品をデリバリー…「手渡すことでコミュニケーション取れたら」

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購入者(左)に直接作品を手渡す傍嶋賢さん(23日、千葉県松戸市で)=守谷遼平撮影

 茨城県取手市在住の芸術家、傍嶋賢(そばじまけん)さん(41)が、自身の作品をインターネット上で発表し、作品を購入してくれた人の家まで直接届けるサービス「デリバリーアート」を始めた。新型コロナウイルスの感染拡大で個展を開けない中、6月21日までの期間限定の取り組み。傍嶋さんは自分の作品を多くの人に手にしてもらうことを願う。

 傍嶋さんは、東京芸大で油絵を学んだ後、JRの高架下の壁画などを手がける傍ら、個展を開いて作品を売ってきた。しかし、個展が開けなくなり、4月の収入はゼロに。作品をネット上で販売し、宅配することを思いついた。

 作品は、宅配業者が背負うようなリュックに入れて届ける。取手市内は自転車で、取手市内から半径50キロ・メートルまではバイクか車で配達する。

 芸術家を支えたいとアクリル画を購入した千葉県松戸市の市職員男性(56)は「外出自粛で美術館に行けないので、絵画を見ると癒やされる。どういう思いで作品が生まれたのか聞けて良かった」と話した。

 これまでに5作品を宅配した。傍嶋さんは「自分で作品を手渡すことで、購入者とコミュニケーションが取れたら」と話す。売り上げの1割は医療現場を支える団体に寄付する。