台湾の蔡英文総統「香港の人びとに必要な援助を提供する」
中国が香港への国家安全法の導入を計画していることを受け、台湾の蔡英文総統は24日、台湾は香港の人々に「必要な援助」を提供すると表明した。
香港では同日、中国の計画に抗議する数千人規模のデモが行われ、警察は催涙ガスや放水砲を使ってデモ隊の排除に当たった。昨年以降の政情混乱を受け、香港では少数ながら台湾に逃れる民主派が増加している。
蔡総統はフェイスブックへの投稿で、中国の法案は香港の自由と司法の独立に対する重大な脅威だと指摘し、自由と民主主義を求める香港市民の願いに銃弾や抑圧で対応すべきではないと非難した。
その上で「国際社会は積極的に香港市民に支援の手を差し伸べているが、台湾は一段と積極的に支援の取り組みを推し進め、香港の人々に必要な援助を提供する」と表明した。
台湾には、亡命を求める香港の活動家に適用できる難民法はないが、政治的理由で自由と安全が脅かされている香港市民を支援することは法律で約束している。
公式統計によると、2020年1─4月に香港から台湾に移住した人は2383人と、前年同期比150%増加した。
台湾の最大野党、国民党の江啓臣主席(党首)は、蔡政権は総統選のキャンペーンで香港への支援を掲げたものの、1月の再選後、意味のある支援を行っていないと批判。「香港への支援を中身のない約束で終わらせず、(香港市民の政治亡命を認める)法案に関する意見を述べるとともに、実際の行動を伴う支援をすべきだ」と述べた。
小政党「時代力量」も、蔡内閣は香港市民に「具体的な支援」を提供するため特別委員会を設置すべきとの見方を示した。
台湾では香港の抗議デモに共感する見方が強く、蔡政権がデモ参加者を支持する立場をとっていることで、中台関係はいっそう悪化している。
*内容を追加しました。
[台北 ロイター]
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