記者が見た「新しい日常」 感染リスク低減に苦心 悲しい想像も
by 毎日新聞新型コロナウイルス感染拡大を受けた政府の緊急事態宣言は、近く全面解除される見通しが強まっている。しかし宣言が解除されても、もう感染拡大前の日常には戻らないといわれる。3月に県内で感染が広まり始めてから2カ月半。記者たちが埼玉県内で見た「新しい日常」を報告する。
相談は体育館 「3密」避け
富士見市社会福祉協議会は、新型コロナウイルス感染拡大で収入が減った市民らに貸し付ける緊急小口資金などの相談や申し込みを、市民総合体育館でも行っている。
3月下旬から協議会が入る施設で受け付けていたが、来訪者が増加したため、密閉・密集・密接の「3密」を避けようと体育館にブースを設置し対応を始めた。担当者は「広々としたスペースで対応できるので、感染リスクが低減した」と話す。【橋本政明】
ソーシャルディスタンス
新型コロナウイルス感染予防の一つとして広く浸透している「ソーシャルディスタンス(社会的距離)」。新座市にある商業施設のエレベーターには、四隅に靴裏のシートが貼られ、周囲の人と距離を空けて立つことを促している。
収束までのゴールが見通せず、今後も長く向き合わなければならないコロナ禍。物理的距離の確保は必要だが、人と人のつながりが断たれることがないことを願いたい。【橋本政明】
「埼玉県在住です」
「埼玉県在住です」――。こんなカードをダッシュボードに載せた車が所沢市内にあった。埼玉よりずっと感染者が少ない、東北のある県のナンバーだった。
緊急事態宣言後、県をまたぐ移動の自粛が求められている。表示せずに、いやな目に遭ったのだろうか。悲しい想像が去来する。【清藤天】