レムデシビル治験結果、最も有効なのは酸素供給必要な患者=米国立衛生研究所
米国立衛生研究所(NIH)は22日、ギリアド・サイエンシズの新型コロナウイルス感染症治療薬「レムデシビル」の臨床試験で、人工呼吸器は必要ないが酸素供給が必要な患者に対して最も効果的であることが示されたと明らかにした。
治験の結果は専門家による査読を受けて、米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに掲載された。
レムデシビルを投与された患者が回復するまでの日数はプラセボ(偽薬)を投与したより4日(31%)短かった。最も大きな効果が表れたのは人工呼吸器は装着していないが、酸素供給が必要な比較的重症な患者だった。
今回発表されたデータは、NIHが前月に公表した暫定結果と同様の内容となった。2月に開始した治験は10カ国で行われ、1063人が参加している。
研究者によると、追加の試験結果も踏まえると、レムデシビルの投与を受けた患者の死亡率は7%と、偽薬投与者の12%を下回った。ただ、意義のある差異ではなかった。
研究者らは「新型コロナ感染症の患者を特定し、肺疾患が人工呼吸器が必要なレベルに進行する前に抗ウイルス治療を始める必要性が明確になった」と指摘。
また、「レムデシビルを使っても死亡率が高いことを踏まえ」ると、他の治療薬との併用で効果が高まる可能性が高いとした。
ギリアドは同社が独自で実施している、症状が中程度の新型コロナ患者を対象とする治験の結果を月末に公表する見通しだと明らかにした。
同社のマーダッド・パーシー最高医療責任者は文書で「レムデシビルと他の治療薬の併用が効果向上につながるかどうかについて把握するため、併用試験の開始に期待している」と表明した。
米食品医薬品局(FDA)は5月1日にレムデシビルの緊急使用を承認。ギリアドはレムデシビル150万回投与分、患者数にして14万人以上の治療を可能にする量を寄付すると約束し、病院に供給している。
[ロイター]
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