「火事の逃げ遅れ無くしたい」 岡山市消防局がVRで避難行動研究

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 住宅火災での死者を減らそうと、岡山市消防局は岡山大、映像コンテンツ制作会社「白獅子」(同市北区芳賀)と共同で、VR(バーチャルリアリティー、仮想現実)を使った避難行動研究を行う。市消防局によると、VRを使った同様の研究は全国初で、担当者は「火事が発生した時の行動傾向が分かれば、逃げ遅れを無くす方法が見えてくるのではないか」と期待を寄せている。

 今回の研究では、市消防局が火災の映像や発生時の調査書などデータを提供し、それらを元に白獅子が住宅火災を体感できるVRソフトを開発。老若男女にソフトを体験してもらい、その際の避難データを収集して、岡山大大学院の岡崎善弘講師らが心理学の観点から解析する。

 市消防局によると、火災の件数は年々減っているものの、管内の火災による死者数は2018年が7人、19年が8人と横ばいが続いている。全国的にも傾向は同様で、中でも住宅火災の死者数のうち7割を高齢者が占めるという。

 VRソフトは6月ごろまでに完成するといい、市消防局は2021年度までに開発されたVRソフトを被験者100人ほどに体験してもらい、報告書にまとめる予定。VRソフトは研究終了後に一般公開も検討されており、担当者は「気軽に体感して身近な人と話したり考えたりする糸口にしてほしい」と話している。

 この研究に関連し、市消防局は模擬家屋での火災の様子をVR映像で公開している。動画は岡山市公式ユーチューブチャンネル(「岡山市消防局模擬家屋燃焼実験」で検索)で見ることができる。【戸田紗友莉】