これが「ランドマーク」の心意気 通天閣が工夫凝らし地域支援策を模索

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 新型コロナウイルスの影響が広がる中、通天閣(大阪市浪速区)が、地域を支えようと工夫を凝らした企画を次々に展開している。3月から地元の菓子業者を支援するために、売れ残った関西一円の土産物を集めて格安で販売。5月からは休業要請を巡る府の独自基準「大阪モデル」の達成状況を示すライトアップを無償で始めた。来場者の減少で通天閣も厳しい状況だが、大阪のランドマークとして苦境を乗り越えるための模索を続けている。【澤俊太郎】

関西の土産物を一挙格安販売

 5月上旬、通天閣の地下1階「通天閣わくわくランド」に設けられたブースには、たくさんの菓子が積み上げられていた。大阪城や関西空港をはじめ、淡路島の土産物も並ぶ。どれも通常の半額で販売されている。

 買い物にきた近くの会社員の女性(45)は「格安なので定期的に来てまとめ買いをしている」と満足そうだった。

 運営する通天閣観光によると、新型コロナの感染拡大で、取引先の菓子業者では各地の観光施設に卸していた菓子の返品が相次ぎ、大量の在庫を抱える事態になっていた。苦悩を知った通天閣観光の高井隆光社長が「どうにかして業者を支援できないか」と、賞味期限が迫った在庫を買い取って割引価格で販売する試みを考案した。

 3月中旬から販売するとツイッターで評判に。4月からは菓子の詰め合わせを半額にしてネット販売したところ、第1弾の300セットが即日完売。その後も1日平均100セットが売れ、5月中旬時点で約4000セットを売り上げた。

 新型コロナは通天閣にも大きな影を落としている。3月の来場者数は例年の約6割減となった。緊急事態宣言を受けて4月9日からは展望台の臨時休業を余儀なくされた。

 それでも高井社長は「大阪の観光を代表する施設としてできることを精いっぱいやりたい」と話す。

「大阪モデル」知らせる点灯

 通天閣では菓子販売の他にも、4月下旬から医療従事者に向けて感謝を示すブルーライトアップを実施。5月11日からは休業要請の解除などに向けた「大阪モデル」の達成状況を示す点灯を無償で実施するなど地元への協力を続ける。30日からの営業再開も決まった。

 高井社長は「さまざまな取り組みを通じて地元の方々との信頼関係を改めて感じる。厳しい状況は続くが団結して難局を乗り越えたい」と力を込める。