吉村知事 大阪モデル運用変更の正当性主張「感染者ゼロなのに黄信号はおかしい」
大阪府の吉村洋文知事(44)は25日、大阪府庁で開いた会見で、府が新型コロナウイルス対策で休業要請を再要請する際の独自基準となる「大阪モデル」の運用を23日に一部変更したことについて「実態にそぐわないので改善した。陽性者がゼロなのに緑が黄色になるのはおかしいし、府民に誤ったメッセージになる」と説明した。
これまで府は、直近7日間の平均で(1)新規の感染経路不明者数が前週から同じか増加=1・0倍以上(2)感染経路不明者が5~10人以上(3)PCR検査件数に対する陽性率が7%以上の3基準を設定。基準を下回ると「緑信号」だが、ひとつでも上回れば府民に注意を求める「黄信号」、すべて満たせば「赤信号」として、再び外出自粛や休業などを要請するとしていた。
23日に府は、感染者が低水準で推移すると、わずか数人の増加でも基準を満たすとして、(1)のみ上回っても「黄信号」にはしないと運用を変更した。24日は新たな感染者は0。(1)は基準を超える1・43倍だが、(2)と(3)は基準未満のため「緑信号」としている。
吉村知事は「今のこの超低空飛行の中、これが正しいと思っている。母数が少なくなると、上がったり下がったりする。母数がある程度ないと機能しないし、危険度を把握するものにはならない」と、運用変更の正当性を主張した。
報道陣から恣意的な運用ではないかと問われ「ゴールポストを動かしているわけではない。ここまで速く、ゼロレベルになるとは想定していなかった。改善するところは改善する」と反論。大阪モデル運用1カ月を機に、専門家会議で話し合うとした。