自治体間の対立へ持ち込む羽田新飛行ルートにおける千葉県の確認書
by 大田区議会議員奈須りえ羽田空港飛行ルート変更で都心低空飛行が始まったが、千葉県、23市、2町と国は、以下の通り、昨年の12月25日に確認書を取り交わしている。
ここには、国交省(当時の運輸省)が大田区と約束した、「海から入って、海へ出る」ルートが新飛行ルートでは、破棄されるが、「千葉県域上空の飛行時間帯、飛行頻度を縮減」と書かれていて、航空行政の矛盾がみられる。
航空行政において、安全・騒音基準等を示し、それを上まわらないよう、出来る限り低減されるよう、努めるのが本来であり、「千葉県の騒音影響を低減し、首都圏全体で騒音を共有する」と言う考えは、便数が増えれば増えるほど、千葉県23市2町以外の自治体の負担が大きくなることになる。
国土交通省は、千葉県への騒音影響を低減し、また、首都圏全体で騒音を共有するという理念の実現に向け、管制技術等の進展が図られるよう努めるとともに、できる限り陸域を通過することなく海上を通過する飛行ルートへの移行など、千葉県陸域上空の飛行時間帯、飛行頻度を縮減するための方策について、首都圏空域の在り方も含めて幅広く検討するとともに、その実現に努めること。
そもそも、首都圏全体で騒音を共有する、と言った、痛み分けは、無用の自治体間の対立を招くことにもなりかねず、環境や安全の視点に欠けた、行政としてあるまじき表現で、非常に驚く。
いまは、コロナで便数も激減しているが、この覚書のもとで、さらに便数が増えると、千葉上空は増やせないため、都心内陸低空ルートが増えることになり、首都圏の安全・騒音環境を改善できない確認書になっている。
そのうえ、深夜早朝の便数の到着回数の制限にもふれており、海外からの便数が増えた時、24時間空港となった羽田空港を離発着する飛行機が、深夜早朝に増えることを余儀なくされる。
そこまでして、首都の空を低空で飛行機を飛ばしたいのは、何故だろう。
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