「力士全員が一生懸命頑張る」新大関・朝乃山、初優勝から1年、看板力士の自覚も
by 毎日新聞新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止になった大相撲夏場所の初日だった24日、新大関・朝乃山が報道陣の代表取材に応じた。2019年夏場所での初優勝時に表彰されたトランプ米大統領に「大関に昇進したことを伝えたい」と話すなど、一気に番付を上げた1年間を振り返りつつ、現在の心境や7月の開催を目指す本場所に向けた意気込みなどを示した。
24日は2週間延期しながら中止した夏場所の初日にあたり、25日には朝乃山が初優勝を決めた19年夏場所14日目から丸1年を迎える。本来なら新大関として晴れ舞台に立つはずだったが、遠のいた土俵に「寂しい気持ちはあるが、この世の中の状況なので仕方のないことだと思っている」と心の整理を付け、「早く土俵に立ちたい気持ちはあるが、焦らずにしっかりと良い準備をしていきたい」と語った。
日本相撲協会は4月に力士への感染が判明すると、力士同士の接触を避けるためにぶつかり稽古(げいこ)や申し合いなど、相撲を取る稽古の自粛を求めたが、現在は師匠の判断次第で可能とした。出稽古は禁止のままだが、朝乃山は「基礎運動や筋トレを中心に、ぶつかり稽古も少し取り入れている」と明かす。
東京に会場が移される7月の本場所は無観客で開催する方針が示されており、朝乃山は「テレビの前で応援してくださる皆さんにいい相撲を見てもらいたい。2桁以上(の勝利)を目指して頑張る」と新たな目標を掲げ、自らの成長についても「自分の相撲が取れている」と得意の右四つに自信を深める。
外出自粛でも「ゲームをしたり、睡眠を取ったりすることが息抜きにつながっている」という朝乃山。「自分だけじゃなく、力士全員が一生懸命頑張りますので、応援よろしくお願いします」とファンにメッセージを送るなど、看板力士としての自覚が芽生えてきたようだ。【村社拓信】