米オブライエン補佐官、香港への「国家完全法制」には制裁 中国をけん制
by 毎日新聞オブライエン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は24日、中国の習近平指導部が香港に導入する予定の「国家安全法制」について、「高度な自治が維持されているとは言えなくなり、制裁を科すことになるだろう」と述べ、中国側をけん制した。NBCテレビのインタビューで語った。
オブライエン氏は、香港がアジア金融市場の中心的役割を担ってきたのは「法の支配や資本主義、民主主義があったためだ」と強調。「それらが失われれば、金融関連企業が香港にとどまる理由があるとは思えない」と指摘し、国家安全法制の導入で香港の金融センターとしての機能は失われるとの考えを示した。
一方、新型コロナウイルスに関しては「米国の富を吹き飛ばすウイルスを中国がばらまいた」と改めて中国政府の対応を批判。さらに「中国による隠蔽(いんぺい)工作は、(1986年に当時のソ連が事故を当初は認めなかった)チェルノブイリ原発事故と並んで歴史に刻まれるだろう」と語った。
オブライエン氏は同日、CBSテレビにも出演し、トランプ大統領が意欲を示している各国首脳が出席しての主要7カ国首脳会議(G7サミット)の開催について、「6月末になるのではないか」との見通しを示した。関係国からは「好意的な回答が寄せられている」と明かし、「安全な環境を作りワシントンに首脳らを迎えたい」と述べた。
G7サミットは当初、ワシントン郊外の大統領山荘キャンプデービッドで6月10~12日の日程で計画されていたが、新型コロナウイルスの感染拡大で一度は取りやめを決定。G7首脳らはテレビ会議形式ですでに会議を行っている。【ワシントン古本陽荘】