デジタルアーカイブでネット閲覧可能 滋賀県立公文書館開館

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 歴史資料として重要な公文書を保存し、公開する滋賀県立公文書館が今春、県庁新館3階にオープンした。開館式で三日月大造知事は「公文書を適切に作成し、確実に残すことは効率的かつ公正な行政の基礎でもある。職員一丸となって県民への説明責任を果たし、信頼に応えていきたい」とあいさつした。

 4月1日に施行された「県公文書等の管理に関する条例」に基づき、県政史料室をリニューアルして開館。条例では、公文書の保存期間について最長30年と定められた。保存期間を過ぎたもののうち、歴史資料として重要と判断された公文書は同館に移す。同館では、史料室で公開してきた明治から終戦ごろまでの公文書9236点に加え、新たに移管した戦後の公文書約3500点を収蔵する。

 閲覧を希望する場合は、県のホームページ(HP)の「しがネット受付サービス」、ファクス、郵送のいずれかの方法で申請。30日以内に行われる審査を経て、同館で閲覧が可能になる。

 新たなサービスとして、明治~昭和50年代の公文書約1万2000点が、同館のHPで目録検索できるようになった。更に、インターネット上で誰でも閲覧できるデジタルアーカイブを導入。明治時代に作成を指示され、堤防や道路の長さなどが記されている「旧村絵図」と、明治から終戦直後にかけて用いられた神社や寺院などの管理台帳の「社寺明細帳」について、画像をネットで公開している。

 開館を記念して、「公文書管理の源流を探る――大正期の文書事務改革」を6月25日まで開催している。1891(明治24)年に起きた、ロシア皇太子ニコライが日本人警官に切り付けられた「大津事件」の史料など26点を同館で展示している。

 開館は午前9時~午後5時。休館日は土・日曜、祝日と年末年始。問い合わせは同館(077・528・3126)。【諸隈美紗稀】