ライチョウの雌、今年も元気に生存 18年夏、木曽駒ケ岳で50年ぶりに発見

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 環境省信越自然環境事務所(長野市)は22日、2018年夏に中央アルプス・木曽駒ケ岳(2956メートル)で50年ぶりに発見された国の特別天然記念物・ライチョウの雌1羽が、今年も生存していることを確認したと発表した。

 環境省は19年夏、雌の発見を契機に中アでライチョウ復活を目指し、この雌に北アルプス・乗鞍岳(3026メートル)から移した有精卵を抱かせる試みに挑戦。ふ化に成功したものの、ひな5羽は全滅した。雌は同年11月を最後に生存が確認されていなかった。

 信越自然環境事務所によると、新型コロナウイルス感染防止に配慮しながら少人数で現地調査に入り、元気に高山植物をついばむ姿を21日、確認した。

 ライチョウは中アでは1969年以降目撃されず、絶滅したとみられていた。この雌は羽毛の遺伝子解析で北アの集団に属すると判明し、北アから飛来したとみられている。

 雌の生存確認を受けて環境省は今夏、動物園で飼育している個体が産んだ卵をこの雌に抱かせて野生復帰を目指すほか、乗鞍岳から雌とひなを移す事業などにも取り組む予定。【武田博仁】