仏ルノー、10年ぶり最終赤字…日産の業績悪化やイランからの撤退響く
【ロンドン=池田晋一】仏ルノーが14日発表した2019年12月期連結決算は、最終利益が1億4100万ユーロ(約167億円)の赤字(前期は33億200万ユーロの黒字)となった。最終赤字は、リーマン・ショック後の09年12月期以来10期ぶり。43・4%を出資する日産自動車の業績悪化が響いた。
売上高は前期比3・3%減の555億3700万ユーロ(約6兆6000億円)だった。19年の新車販売台数が前年比3・4%減の375万台に落ち込んだことが要因だ。中国での販売減や、米国の経済制裁再開に伴ってイラン事業から撤退した影響が出た。
日産をはじめとする関係会社の業績も低迷した。日産の19年4~12月期が、北米や欧州での販売減で減収減益となったことなどで、関係会社の業績反映分は1億9000万ユーロ(約230億円)の損失となった。前期は15億4000万ユーロ(約1800億円)の利益を計上していた。
クロチルド・デルボス最高財務責任者(CFO)兼暫定最高経営責任者(CEO)は14日の記者会見で「自動車市場では不安定な状況が蔓延(まんえん)しており、全ての営業地域で深刻な影響を受けた」と述べた。
ルノーは20年12月期について、欧州の自動車市場が前期比3%縮小すると見込んでおり、販売面では苦戦が続く可能性もある。新型コロナウイルスの感染拡大で、中国市場の先行きも懸念材料となっている。