フランス政府、モンブランの入山規制へ 温暖化と混雑に対応
(CNN) フランスのマクロン大統領は13日、欧州西部の最高峰で観光地としても有名なモンブランの入山規制に踏み切る方針を発表した。気候変動の影響から生物多様性を守る対策の一環としている。
マクロン大統領は発表に先立ち、モンブランの近くで氷河が縮小している状況を視察。アルプス地区のシャモニーで発表を行った。
同国エコロジー省によると、フランス最大のメールドグラース氷河は、過去30年で約700メートル縮小した。
マクロン大統領は、「我々が目の当たりにしているこの氷河の状況は、(地球)温暖化と(環境)不均衡、そして全生態系の変化の痕跡を裏付ける紛れもない証拠だ」と語った。
国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は2019年の報告書で、世界中のほぼ全ての氷河が縮小しつつあると報告していた。
モンブランは気候変動の影響に加え、観光客や登山客による混雑も問題になっている。
昨年は、夏の登山シーズンの混雑を緩和する目的で、同地に3軒あるホテルのいずれかを予約していない登山客の入山が条例によって禁止された。
CNN系列局のBFMによると、マクロン大統領の訪問は、地元自治体が大統領に宛てた書簡で、モンブランをごみで汚す登山客に対して行動を起こすよう訴えたことを受けて実現した。
地球温暖化の影響は、フランス・アルプスの各地に及んでいる。中部ピレネーのリゾートは先週、雪不足のため、無期限で営業中止を余儀なくされた。
マクロン大統領は演説の中で、環境と生物多様性の保護を目的とした生物多様性庁の創設も発表した。