保釈の秋元衆院議員、会見で「賄賂を受け取った事実は一切ない」…IR汚職
カジノを中核とした日本の統合型リゾート(IR)を巡る汚職事件で、収賄罪で起訴された秋元司・衆院議員(48)が14日、東京・永田町の衆院議員会館で記者会見し、「賄賂を受け取った事実は一切ない。起訴事実をすべて否認する」と述べ、公判で無罪を主張する考えを示した。議員辞職も否定し、「なるべく早い時期に国会に復帰し、活動を再開したい」と語った。
スーツの左胸に議員バッジをつけた秋元被告は冒頭、事件について「特定の事業者に便宜を働くことは断じてない。贈賄側の事業者と癒着した関係にはない」と強調。一方、「このような容疑をかけられてしまい、支えていただいた皆様に申し訳ない」と謝罪した。
起訴状では、秋元被告は内閣府のIR担当副大臣だった2017年9月~18年2月、中国企業「500.com」側から現金300万円を受領したり、北海道への家族旅行の費用約76万円相当を負担させたりするなどして、総額約760万円相当の賄賂を受け取ったとしている。
検察側は300万円の受領について、17年9月28日の衆院解散日だったとしているが、秋元被告は「忙しい日で贈賄側と会った記憶はない。裏金をもらわなければならない状況にもなかった」と説明。旅費についても「当時の秘書に支払いを指示していた」などと述べた。詳細については「今後裁判で明らかにしたい」と説明を避けた。
秋元被告は昨年12月25日に逮捕されて以降、約50日間東京拘置所に勾留され、今月12日に保釈された。会見では現在の健康状態について「体力的に厳しい。まずは体調の回復に全力を挙げたい」と述べ、国会での説明については、「当面は刑事裁判に専念したい」と否定的な見解を示した。