首相のヤジで国会空転は情けない

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あまりに民主主義を、国会を冒とくしている安倍首相の言動については、書きたくもないのですが、国会を空転させている言動には、与野党から批判が出ています。

12日の衆院予算委員会で、立憲民主党の辻本議員の質問に「意味のない質問だよ」とヤジを飛ばしました。このため衆院予算委員会は、13日は流会になり、野党は首相による謝罪と撤回を自民党に要求しました。

与野党の協議と並行して、立憲や国民民主党などの野党4党の幹事長・書記局長も会談し、首相に対する懲罰動議提出も視野に入れて対応する方針を確認していました。

今回は、17日に予算委員会の集中審議を開き、首相が冒頭で発言することで合意しましたが、これまでの対応を見ると、そこで首相が謝罪するかどうかは、わからないと思います。首相の国会軽視の態度は、目に余ります。

どのような質問をされても、政府提出の予算案を審議してもらう立場なのですから、丁寧に答弁すべきなのに、野党を攻撃し続けることは、看過できません。

この国会の予算委員会の答弁だけでも、「桜を見る会」を巡って首相後援会主催の夕食会で高級すしが提供されたという誤情報を流されたとして「うそつき」と言ったり、、問題になっている「意味のない質問だ」というヤジは「タイは頭から腐る」などと言われたことへの批判でしたし、うそつき発言への謝罪要求には「私も謝罪してもらいたい。流言の流布に当たる」と言い、夕食会費を違法に補填したとの指摘に対しては「買収を行っていると犯罪者呼ばわりしている」と、また「非生産的な、政策とは無縁のやりとりと長々と続ける気持ちは全くない」などと、国会での審議を軽視する発言を続けています。

国民から選ばれた立法府の議員に対して、あまりに不遜な態度と言わざるを得ません。そのバックにいる国民を何と思っているのでしょうか。

こうした発言について、与党内からも伊吹元衆院議長が「みっともない」とし、石破派の議員からは「あんなやりとりは子どもに見せられない。これが自分たちの国の総理大臣かとあきれる」という批判が出ています。公明党の山口代表は「答弁する側も誠実に答弁を」と述べている、と報じられています。

このような首相の発言は、与野党を越えて批判すべきだと思います。また、自民党出身の棚橋予算院長は、首相の答弁を求めても他の人に答弁をさせたり、今回のヤジについても「私には聞こえなかった」として、審議を止めて確認するよう野党が求めても応じなかったりしています。

政権寄りの運営に対して、13日に衆院予算委員会の与野党筆頭理事は、委員会を適正に運営するよう口頭で申し入れた、とのこと。

新型コロナウイルスのニュースも一定量は必要だと思いますが、国会が、このような事態になっていることも、しっかり報じてもらいたいと思います。