ワークマンは“楽天撤退”でビクともしない!? 自社商品と店舗網に“圧倒的”な自信 (1/2)
by ITmediaワークマンは1月27日、2月末で大手通販サイト「楽天市場」から撤退する方針を発表した。オンライン通販を自社の通販サイト「ワークマンオンラインストア」に一本化し、注文した商品を店頭で受け取る「店舗受け取り」を強化するためという。ワークマンはこの方針にどんな勝ち筋を見いだしたのか。
楽天市場撤退の理由は?
大手ECサイトからの撤退は大きな決断に思えるが、同社のネット通販のうち楽天市場での売り上げは約2割。その注文の9割はワークマンのプライベートブランド(PB)製品だったという。今後PB製品の通販は自社通販サイトに絞るため、楽天市場を使っていた顧客はそちらに移行してもらえる可能性が高いという。
また、楽天市場での販売には「購入者が宅配以外の受け取り手段を選べない」「配送コストがかさむ」などの課題もあった。Amazonが自前物流の構築を進めるなど、大手EC事業者が配送問題に取り組む中、今後配送コストや配送時間で戦っていくのは難しい。そこでワークマンは、自前の店舗網を活用しようと考えたのだ。
同社はカジュアルウェアの販売などで実店舗が好調。今後10年で約400店の新規出店を見込んでおり、これをネット通販の受け取り手段に活用しない手はない。すでに自社通販サイトでは、利用者の67%が「店舗受け取り」を選んでいるというデータもあった。
この流れを加速させれば、オンラインから実店舗への誘導や、店舗のリピーター獲得につながる可能性も高い。実際、通常の来店では、仕事のために作業服を買うプロなら9割、カジュアルウェアを買う一般客なら7割が、来店した店舗のリピーターになっているという。
また、店舗受け取りの場合、通常の通販と違い、売り上げは受け取り場所であるフランチャイズ加盟店のものになるため、加盟店にも売り上げ増などのメリットがあるとしている。