「中国へ渡航してはいけない」、米国務省の警戒レベル最大に
(CNN) 米国務省は30日、新型コロナウイルスの流行に関連して、中国への渡航に関する警戒レベルを4段階で最も高い「渡航禁止」に引き上げた。
国務省の警戒情報では、中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスを理由に「中国へ渡航してはいけない」と述べ、世界保健機関(WHO)が同日、新型コロナウイルスについて「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言したと指摘した。
さらに、「渡航者は、ほとんどあるいは一切の予告なく、渡航制限が敷かれることに備えなければならない。民間航空会社は中国便について減便あるいは運航を中止している」「現在、中国にいる人は、商用手段を使った出国を検討する必要がある」としている。
これに先立ち米疾病対策センター(CDC)は同日、新型コロナウイルスに感染したイリノイ州の女性の夫の感染が確認されたと発表した。米国で人から人への感染が確認されたのは初めてだった。
国務省はこれまで、中国渡航に関する警戒レベルを段階的に引き上げており、27日には渡航の再検討を勧告する「レベル3」としていた。新型ウイルスが発生した武漢市のある湖北省については、それ以前からレベル4の渡航禁止に引き上げていた。
北京の米大使館と、成都、広州、上海、瀋陽の領事館についても、コロナウイルスの感染拡大が引き続き懸念されるとして、緊急要員を除く職員の退避を許可した。
中国では各都市でおよそ6000万人が、一部封鎖あるいは全面封鎖された状況に置かれている。