「制服のせいで健康被害」、乗務員から苦情続出 デルタ航空が交換表明
ニューヨーク(CNN Business) 米デルタ航空の客室乗務員などが使っている制服をめぐり、この制服のせいで健康被害が出たと訴える従業員が続出している。デルタ航空はこのほど、問題の制服を入れ替える計画を表明した。
問題の制服は、デルタ航空の客室乗務員や搭乗口などで乗客に応対する係員が着用しているもので、米衣料品大手ランズエンドが製造した。2018年5月から使われているが、健康問題を訴えた一部の従業員は、許可を得て別の制服を着用している。
昨年12月には、客室乗務員を中心とする従業員500人あまりがランズエンドを相手取って米連邦裁判所に訴訟を起こし、この制服が原因と思われる声帯機能不全や呼吸困難、皮膚の水ぶくれや発疹、目のかすみ、鼻血、耳鳴り、片頭痛、疲労などの症状が出たと訴えていた。
デルタ側は、制服の検査を行った結果、安全が確認されたと主張。しかし原告側はこの検査結果に反論し、従業員側が実施した検査では、「衣類に関する業界の安全基準を大幅に上回る化学物質や重金属」が検出されたと訴えた。
これを受けてデルタ航空は29日、問題の制服の交換に乗り出す計画を明らかにした。
デルタ航空が従業員に宛てた電子メールによれば、新しい制服は2021年暮れまでには準備できる見通し。今年5月には、暫定的に新しい制服を用意するとしている。
整備士や手荷物係などが着用する制服もランズエンド製だが、こうした制服の交換は予定していない。制服について苦情を申し立てているのは客室乗務員などが圧倒的多数を占めるという。
ランズエンドは30日に声明を発表し、問題とされた制服について、「厳格な世界基準通り、あるいは基準を上回っている」と強調した。