アメリカン航空の操縦士労組、中国便停止求め提訴 新型肺炎受け
ニューヨーク(CNN Business) 米アメリカン航空の操縦士でつくる労働組合は31日までに、新型コロナウイルスによる肺炎が「深刻な健康上の脅威」を及ぼしているとして、米中間を結ぶ航空便の運航停止を求める訴訟を起こした。
訴訟はテキサス州ダラスの裁判所に提起されもので、感染拡大が続く間の運航停止を命じる「緊急差し止め命令」を求めている。
労働組合のトップは声明で「乗員と乗客の安全および健康は、常に我が社の最優先事項でなくてはならない」と指摘。英ブリティッシュ・エアウェイズやカナダのエア・カナダ、独ルフトハンザなどが中国便の運航を停止したことに言及した。
コロナウイルスによる新型肺炎は昨年12月に湖北省武漢で発生し、中国全土に感染が拡大したほか、米国や日本、インドなどでも患者が確認されている。世界保健機関(WHO)は30日、スイスのジュネーブで緊急会合を開き、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言した。
中国国内の感染例は既に2002~03年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)を超え、中国本土では30日の時点で9692例が確認されている。死者数は計213人。
アメリカン航空は28日、2月9日から3月27日までの期間、ロサンゼルスから中国本土に向かう2路線の運航を停止すると表明。理由として「大幅な需要の落ち込み」を挙げていた。
これに対し、操縦士組合の訴訟では、アメリカン航空が2月9日以前には欠航や運休の措置を講じないことに言及。米国最大のハブ空港であるダラス・フォートワース空港を出発する便について即時の運航停止を求めている。
アメリカン航空のコメントは得られていない。