新型肺炎「早期の帰国希望者はほぼ帰国」 来週以降に第4便派遣の方針
by 毎日新聞厚生労働省は31日、千葉県在住の20代女性が新型コロナウイルスに感染したと発表した。女性は18日から22日にかけ、既に感染が判明した奈良県のバス運転手と同じ中国人を対象にしたツアーにガイドとして参加していた。また、中国湖北省武漢市に滞在し、チャーター機第2便で30日に帰国した30代と50代の男性2人も新型コロナウイルスに感染していたと発表した。発熱などの症状はないという。国内で感染が確認されたのは計17人になった。一方、武漢市に滞在していた日本人149人が31日、日本政府のチャーター機第3便で羽田空港に帰国したが、そのうち25人が入院した。
厚労省によると、千葉県在住の女性は20日ごろ、せきや鼻水の症状が出たため、29日に医療機関を受診。その際にバス運転手との接触があったと申告した。
日本政府によると、第3便が武漢の空港を出発する前、発熱などの症状があった7人が中国側の検査で出国を認められなかった。帰国した149人のうち10人が体調不良を訴え、羽田空港から指定医療機関に搬送。残る139人のうち、15人にせきなどの症状があったため入院した。
チャーター機の派遣は3日連続で、帰国した日本人は計565人。茂木敏充外相は記者会見で「早期の帰国を希望する武漢市内の邦人はほぼ全員が帰国できた」と説明した。一方で、湖北省内には帰国を希望する日本人が約140人滞在しているといい、来週以降に第4便を派遣する方針だ。
139人は政府が用意したバスで国立国際医療研究センター(東京都新宿区)に移動し、ウイルス検査などを受けた。入院した15人を除く124人は政府が管理する国立保健医療科学院(埼玉県和光市)と税関研修所(千葉県柏市)に滞在する。第3便での帰国者には、中国側の検査で第2便で搭乗が認められなかった2人も含まれている。
第1便の搭乗者から3人の感染者が出ており、第3便からは客室乗務員が防護服を着用して対応に当たった。【金秀蓮、鈴木一生】