車いすバスケ「国際連盟がクラス分け基準守らず」IPC指摘 東京大会から除外の可能性も
by 毎日新聞国際パラリンピック委員会(IPC)は31日、国際車いすバスケットボール連盟(IWBF)が障害の程度に応じて区分する「クラス分け」についてIPCの基準を順守していないとして、5月29日までに改善されなければ、東京パラリンピックの実施競技から除外する可能性があると発表した。IWBFのメーレンス会長は「車いすバスケットボールが存続できるように可能な限りの手段を講じる」との声明を出し、基準への適応を目指す姿勢を示した。
車いすバスケットボールはパラリンピックの花形競技で、チケットの抽選販売でも人気を集めている。IPCによると、1月23~25日にドイツのボンで開かれた理事会で決議した。IPCは比較的障害が軽く、チームのポイントゲッターとして活躍している選手のクラスについて改善を求めている。2024年パリ・パラリンピックについては現時点で実施競技から除外し、21年8月末までに改善されれば復帰させるとしている。
東京五輪・パラリンピック組織委員会は「競技を楽しみにしている方々も非常に多く、改善に向けたIWBFの早期の行動を期待する。現時点では実施競技の一つであり、実施を前提に大会準備に尽力する」とのコメントを出した。
一方、日本車いすバスケットボール連盟は31日夜、公式フェイスブックで談話を発表。「クラス分けは、パラスポーツの根幹をなすもので、IPCの規定を順守することがパラリンピック出場の大前提と認識しています」との見解を示したうえで、「IWBFがIPCの要件を満たした規定に変更するように訴えてきたが、今後もパラリンピックのスポーツであり続けるように尽力します」とした。【芳賀竜也、岩壁峻】