https://cdn.mainichi.jp/vol1/2020/01/31/20200131k0000m040271000p/6.jpg?1
新型コロナウイルスによる肺炎への注意を呼びかける電光掲示板=関西国際空港で2020年1月24日午前11時56分、久保玲撮影

旅行各社が中国ツアー中止 キャンセル料徴収せず 全日空は中国便運休も

by

 外務省が湖北省を除く中国全土の「感染症危険情報」を不要不急の渡航自粛を求めるレベル2に引き上げたことを受けて、大手旅行各社は2月に予定していた中国行きツアーの中止を決めた。航空会社では顧客から中国便の予約キャンセルが相次いでおり、運航中止を検討する動きも広がっている。

 JTBと、近畿日本ツーリストなどを傘下に置くKNT―CTホールディングスは、香港やマカオを含む中国行きの全ツアーを2月いっぱい中止することを決め、参加予定者への連絡に追われた。

 上海ディズニーランドなど観光客に人気の施設は1月25日に休業となり、その時点で中国行きの一部ツアーが中止されるなどの影響が出ていた。JTBなどは2月のツアー中止を決め、3月以降は「状況に応じて判断する」という。エイチ・アイ・エス(HIS)は1月28日時点で、2月10日出発分までの中国本土へのツアー中止を決定。各社ともキャンセル料は徴収しない。

 中国10都市と日本を1日24往復運航している全日本空輸では顧客のキャンセルが相次ぎ、2月の予約状況は前年同月と比べて中国発が半減、日本発が4割減になった。同社の平子裕志社長は31日、「これから先、中国便の運休を考えざるを得ない」と説明。中国7都市に1日16往復運航している日本航空では20日以降、2月の中国便の予約の25%がキャンセルされたという。日本各地に就航する中国の航空会社では既に一部減便や運休を決めている。【石田宗久】