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展示内容について説明するプラズマの遠野宏季社長。後ろの展示は、被験者の私生活動画を記録したハードディスクを分解したもの=東京都渋谷区で2020年1月31日午後1時32分、吉田卓矢撮影

「私生活動画」の会社が企画展 今の労働を22世紀からみると…

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 報酬20万円で1カ月にわたり私生活動画を撮影・収集する社会実験を昨秋から行っていたIT会社「Plasma(プラズマ)」(東京都目黒区、遠野宏季社長)は31日、今回の実験に関する企画展を東京都渋谷区のギャラリー「表参道ROCKET」で始めた。労働や生活をめぐる今の価値観を22世紀から批判的に見ようという狙いで、タイムカードやスマートフォンが過去のものとして展示されている。5日まで。入場無料。【吉田卓矢/統合デジタル取材センター】

企画展の名前は「22世紀の臓器売買」

 企画展の名前は「22世紀の臓器売買」。私生活動画の実験が始まった当初、SNS上で展開された「臓器売買のようだ」との批判にちなんで名付けた。

 同社は、昨年11月から約1カ月間、個人宅での私生活の様子を動画撮影、回収後に個人が特定できないよう顔や体をマスキング処理したデータの一部を企業に提供し、ビジネスの可能性を探るという社会実験を行った。報酬20万円に設定して被験者を募集したところ1311人が応募。うち24歳(応募時)と29歳(同)の男女4人が選ばれ、自宅の部屋や台所、トイレなどにカメラを設置して撮影した。

 同社は当初、撮影の報酬として、東京都内の30歳前後の人に支給される生活保護費相当額の13万2930円を設定。SNS上で「貧困ビジネス最前線」「臓器売買のようだ」などと批判され、設定額を20万円に増額した経緯がある。

 遠野社長は「非人道的と言われたが、将来自分のデータを…

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