首里城跡火災、世界遺産価値への影響「軽微」…ユネスコに報告

 文化庁は31日、世界文化遺産・首里城跡(那覇市)で10月に発生した火災の被害状況を国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)に報告したと発表した。報告は29日付。世界遺産の遺構のうち、火災で損傷した面積は史跡全体の約0・05%で、世界遺産の価値に与える影響は「軽微」とした。

 首里城跡では、正殿地下に保存された基壇などの遺構が世界遺産の構成資産となっているが、損傷したのは展示・研究用に露出させていた一部だった。全焼した正殿などの建物も復元時の資料が残っているといい、政府は復元に向けた工程表を今年度内にも策定する。

 記者会見した萩生田文部科学相によると、ユネスコからは、首里城跡の被害状況を共有できることは有益だとし、今後、現地への専門家の派遣も検討しているとの返答があったという。