JALとANA、中国便の減便・運休を検討…相次ぐキャンセル受け

 新型コロナウイルスによる肺炎拡大を受け、日本航空と全日本空輸は中国便の減便や運休の検討を始めた。中国便の需要が大きく落ち込んでいるためだ。

 日航の中国路線(香港含む)は成田―上海など12路線あり、現在は1週間に計112往復している。31日に記者会見した日航の菊山英樹専務は「中国線はキャンセルが続いている。運休、減便は考えないといけない」と述べた。1月31日時点の2月の中国便の予約件数は、相次ぐキャンセルにより、1月22日時点より25%も少なくなっているという。

 全日空も2月の中国便の予約率が前年同月と比べ、半分程度の水準に落ち込んでいる。平子裕志社長は31日、「中国線は非常に重要なマーケットだが、便の運休は考えざるを得ない」と話した。

 一方、旅行業界にも影響が広がっている。JTBは31日、日本から香港、マカオを含めた中国行きのツアーを2月末の出発分まで中止することを決めた。外務省が湖北省を除く中国全土で、感染症危険情報を「レベル2」(不要不急の渡航を自粛)に引き上げたことに対応したもので、3月以降は動向をみて判断する。