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記者会見で帰国者の受け入れ経緯などを説明する土屋元・勝浦市長=千葉県勝浦市役所で2020年1月31日午後4時、斎藤文太郎撮影

武漢からの帰国者受け入れで市民が批判 千葉・勝浦市が釈明チラシ

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 中国・武漢からの帰国者を受け入れたホテルのある千葉県勝浦市は31日、「受け入れの説明がなかった」と市民から批判が寄せられていることを踏まえ、「ご不安、ご心配をおかけしております」と釈明するチラシを市内の全戸に配布した。土屋元(はじめ)市長は同日の臨時記者会見で、政府の要請が直前だったとして「人道上の理由を最優先した」と市民に理解を求めた。

 市によると、武漢から政府チャーター機で29日に退避した帰国者について、前日の28日夜、市内の勝浦ホテル三日月で受け入れたいと国から打診があった。土屋市長は「チャーター便で迎えに行くなら(受け入れ施設を)セットで考えるのが普通。決まっていないとは予想していなかった」と政府の準備状況に疑問を呈しつつ、時間の制約もあり、スピードを優先し受け入れを決めたなどと説明した。

 同市は勝浦湾に面し漁業も盛んな観光地。説明がなかったことへの批判の他、観光業への風評被害を懸念する声も出ていた。土屋市長は会見で「過剰に心配することなく基本的な感染症対策に努めていただきたい」とした。

 勝浦ホテル三日月は31日段階で、検査で陽性と判明した2人や体調不良で入院した1人、相部屋解消を強く望んだ2人は既に離れており、残る186人は全員陰性だった。政府は健康監視期間として2週間の滞在を求め、2月13日午前には全員がホテルから退去できる見通しとなった。

 現在は二十数名が相部屋のままで、3人部屋もある。31日中にまずは3人部屋を完全に解消し、その後も個室を望む帰国者の意向を踏まえ他施設に移送することも検討している。【中島章隆、安藤いく子、斎藤文太郎】